
こんにちは。こんくりです!
このブログでは北海道の生き物のことや自然について紹介しているよ。
今回は長沼町にてオサムシ探しをしてきたので、その過程と結果についてレポートしていきます。

私はオサムシ屋ではないのですが、北海道にはオオルリオサムシという美しいオサムシが生息しているので今回はそれを狙っていきたいと思います。
オオルリオサムシは5~6月頃が発生のピーク。この日は5月下旬だったので、ちょうど良い頃。
マダニが活発になってくる時期でもあるので怖いのですが、虫よけスプレーをお守りにして進みます。
トラップについて
活動期のオサムシを捕まえる方法は、地面に穴を掘って落とし穴トラップに落とすやり方と側溝などで探す方法があります。
今回は森の中にトラップを仕掛けることに。
オサムシやゴミムシなど、地面を歩く昆虫を捕まえるトラップは「落とし穴トラップ」「オサムシトラップ」「ピットフォールトラップ(PT)」「ベイトトラップ」などと呼ばれています。
呼び方が多いですがPTとかベイトトラップが虫屋さん的には一般的かも。
やり方を簡単に説明すると、
- 土に穴を掘り、プラスチックのコップを埋める
- コップの中に匂いのする餌を入れる
- 一晩放置する
- 翌日、中の虫とトラップを回収して穴を埋める
といった流れです。
本気のオサムシ屋さんは一回に100個とか多い人だと1000個とか仕掛けるみたいですが、私はライトな虫屋なのでとりあえず20個くらいで試します(^_^;)20個でも一人で掘るのは大変だと思う…
中に入れるエサですが、これは狙いたい虫ややる人によってさまざまです。よく使われるのは
- カルピス
- 腐肉
- サナギ粉(釣具屋さんに売っている蚕の蛹粉末)
- すしのこ
などです。このトラップで狙う虫たちは主に匂いを頼りにエサを探しているので、トラップにも匂いの強いものを選びます。
ミミズを入れるとオサムシが採れやすいそうですが、その場でたくさん探すのは大変なのでミミズを使う場合はあらかじめ集めておくのが良いかもですね。
また、カルピスやお酢など液体状のものを入れておくと落ちた虫が溺死する可能性が高いです。
標本にするのなら死んでいても問題ないのかもしれませんが、生きた状態で捕まえたい場合はすしのこなど粉末のものや、煮干しなど固形のものを使う方が良いでしょう。
私は持ち運びが楽チンなすしのこを使用しています。

森の中へ。
いざ森へ。オサムシはカタツムリやミミズなどを食べるので、そういう餌がいそうなジメジメしたところを探します。

とりあえずこのへんの木の根元あたりに。

ちょっと草がモシャモシャ生えていますが、湿り気もあり良い感じかと。
ここにコップを埋めていきます。

トラップは仕掛けたいけど、穴掘るのが苦手なんですよね…。
今使っているシャベルがこれ。結構鋭いので太いものよりは掘りやすいかと思います。
手鍬を使っている人も結構いるみたいですね。周りにオサムシ屋さんがいないので何が一番良いのかはよくわかりません(・・;)
自分の使いやすいものを模索していく感じで!

穴を掘ってコップを埋めます。使うコップはプラスチックのつるつるしたもの。紙コップだと虫が落ちても登って逃げられることがあります。
深さはビール飲む時に使うくらいの500mlとかの大きいものが逃げられにくくて良さそうですが、大きい穴掘るのが大変なので私は一回り小さいものを使っています。オサムシの体長の2倍くらいあれば大丈夫かなと思っています。
100均でも買えますが、たくさん仕掛ける場合はまとめて売られているもののほうがお得です。
こういう感じの↓

回収する時に見失わないように、木を目印に。
でも、木の根元って根っこによく当たるので掘るのは大変なんですよね(;´∀`)

ぽつりぽつりと埋めていきます。
この日の最高気温は20℃。本州に比べたらかなり涼しいですが、この作業をしていると汗だくに…。
ひとまず手持ちのコップを埋め終わり、この日の作業は終了。さて、どうなるかな~
トラップ回収へ!結果は…
翌日。午前中に回収に向かいます。
トラップを覗くと…!

マイマイカブリが入っていました!!\(^o^)/
北海道亜種エゾマイマイカブリ。
オオルリオサムシじゃなかったけど、嬉しい収穫。

さらにもう1個体!
マイマイカブリは地域による変異がさまざまですが、北海道のものは前胸背が赤~緑色で美しいです。

結果、この日採れたのはエゾマイマイカブリ2個体。
仕掛けた20個のうち2個に入っていました。時期的にもう少し採れてもよかったと思うのですが、少ないトラップでも2個体採れたので良しとします!
オオルリオサムシはこの日は採れませんでした。また次の機会に…。

持ち帰り途中。交尾している!!
ちゃんと確認していなかったのですが、どうやら雌雄ペアだったようです(*^^*)
これは採卵チャレンジをしなくては!
おまけ:その他出会えた虫たち
マイマイカブリ以外で、この2日間で出会えた昆虫を紹介します。

アカマダラ。北海道特産種のチョウです!
前回の記事で詳しく書いています。よければこちらも。

ちょうど数日前から、エゾハルゼミの発生が始まっていました。
アキタブキの葉の上で羽化したようです。羽化直後なのでまだ翅脈が黄緑色をしていて、みずみずしい。

アトボシハムシ。翅の色に透明感があり綺麗です。後ろ側(アト)に2つの斑紋(ホシ)があります。

ミヤマハンミョウ。体の色は個体差があり、緑色っぽいものから銅色のものがいます。この辺りではよく見かけるハンミョウの仲間。

ヒトリガの幼虫。別名『熊毛虫』。この時期は本当に多いです。ヨモギの茎にて。

トホシカメムシ。どーんと大きいので存在感があります。名前の通り、黒い点々(ホシ)が10個ありますね。

止まっている所の写真がうまく撮れずに捕まえてしまいましたが…ヨツボシトンボ。
翅の根元の黒い斑と、翅の中央部にある黒い班があるのが特徴。
トンボはきれいに写ったけど自分の指のカサカサぐあいに気づいて引いた。

エゾオオマルハナバチ。相変わらずモフモフで可愛い。
おわりに
今回はピットフォールトラップでオオルリオサムシを狙ったけど、エゾマイマイカブリが2個体採れたという結果になりました!
この森にオオルリオサムシは生息しているのかは謎です。また仕掛けに行ってみようかな。
ちなみにマイマイカブリは連れて帰り、すでに採卵を始めています。その様子についてもまた記事にしていきたいなと思っています\(^o^)/
それでは、また!
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