沖縄生き物観察記おまけ~昆虫編~

フィールド日記

前回、前々回と沖縄ダイビングのレポートをしてきました。

ウミウシなど海の生き物も好きなのですが、やっぱり私は『昆虫』に目がいきます(笑)

やっぱり、北海道や本州にいる昆虫とは違う種類がいて、面白いんですよね。

そんなわけで、今回3月下旬のツアーで観察できた昆虫を紹介していきたいと思います!

場所は沖縄本島(ほぼ北部)。

それではいきます!

沖縄で見た虫【甲虫(コウチュウ)】

ハイイロテントウ

ハイイロテントウ

まずはこのテントウムシ。白地に黒い点々のハイイロテントウ

翅が白いテントウムシって、なかなか見ないですよね。実際には、白より少し灰色がかった色味です。

このハイイロテントウは日本では南西諸島にしか生息していません

でも、もともと南西諸島にいたわけではなく、アメリカ大陸からの移入種なんですね。

ハイイロテントウの食性

ハイイロテントウの食べ物は、『ギンネムキジラミ』という2-3mmの小昆虫。

ギンネムキジラミはカメムシ科の昆虫で、『ギンネム』という植物の新芽を吸って枯らしてしまいます。

餌(ギンネムキジラミ)も餌の餌(ギンネム)も移入種

そして、このギンネムキジラミが食べるギンネムもまた、中南米原産の移入種なのです。

ギンネムはマメ科の植物で、日本では緑化や緑肥などの目的で導入されました。

このギンネムには、他の植物が生長できないようにする「アレロパシー」という効果があるそうで、どんどん分布を広げていきました。

そして現在ギンネムは『世界の侵略的外来種ワースト100』に入っています(^_^;)

移入の順番としては、

1910年にギンネムが入ってくる

1986年頃からギンネムキジラミが入ってくる

1987年にハイイロテントウが見つかる

という時系列のようですね。

移入種が移入種を食べている…という図ですが、在来テントウムシなどへの影響はあるのでしょうか。

調べてみると、「在来テントウムシの餌となるアブラムシ類を飼育下でハイイロテントウに与えたところ、食べても数日で死亡した」という実験結果があるようです。

外来キジラミを食べるスペシャリストとして、在来テントウとはうまく棲み分けてる…んですかね?

ダンダラテントウ

ダンダラテントウ

こちらは日本在来のテントウムシ、ダンダラテントウ

北海道を除く日本全域に生息しています。海外での分布も広く、台湾・中国・東南アジアからアフガニスタン、最近では南米まで生息しているそうです(『テントウムシハンドブック』(文一総合出版)より)。

ダンダラテントウは沖縄県では最もよく見られるテントウムシとのこと。

模様は個体差がいろいろありますが、この写真のタイプのものが多いみたいですね。

ダンダラテントウの食性

ダンダラテントウは肉食性のテントウムシで、アブラムシを捕食します。

オキナワイチモンジハムシ

オキナワイチモンジハムシ

葉っぱを食べる『ハムシ(葉虫)』。種類によって食べる植物が異なります。

今回見つけたのは、オキナワイチモンジハムシ。その名の通り、沖縄や奄美大島など南西諸島に生息するハムシです。ガジュマルの葉にたくさんついていました。

本州~九州で見られる『イチモンジハムシ』との違い

本州から九州では、「オキナワ」のつかない『イチモンジハムシ』が生息しています。

ただのイチモンジハムシはお腹の後ろ半分だけが黄色ですが、オキナワイチモンジハムシはお腹全体が黄色いという違いがあります。

オキナワイチモンジハムシ横から

黄色の胸の部分にある黒い点々も、イチモンジハムシでは5つ、オキナワイチモンジハムシでは4つです。

幼虫の姿

オキナワイチモンジハムシ幼虫

成虫をみつけた近くの葉には、たくさん食痕が。

よく見ると、黄色い幼虫があちらこちらに見られました!うーん、ちょっと見た目はグロいかな?

幼虫は集団で葉っぱを食べて育ち、土に潜って蛹になります。

もしかしたら、足元の土にも蛹がいたのかも。

沖縄で見た虫【チョウ】

シロオビアゲハ

シロオビアゲハ

沖縄らしいチョウに出会えました!(^o^)シロオビアゲハです。

今回最もよく見かけたアゲハチョウでした。

アオスジアゲハ

アオスジアゲハ

ちょっと翅がボロボロですが、アオスジアゲハがいました!ランタナの花を吸蜜しています。

アオスジアゲハは関東より南を中心に見られる普通種ですが、北海道には生息していないのでこちらで見られるとやっぱり嬉しいですね。

イシガケチョウ(幼虫)

イシガケチョウ幼虫

これも沖縄だけのチョウではないですが、イシガケチョウ。ガジュマルの葉についていました。

イシガケチョウは関西より南でしか見られないので、東日本にしか住んだことのない人間としては会えると嬉しいチョウですね(*^^*)

イシガケチョウ幼虫の顔

この顔、可愛くないですか?笑

邪悪なウサギって感じで好きです。

ルリタテハ

ルリタテハ

沖縄に限らずどこにでもいるチョウですが、ルリタテハ

この個体はメスでお腹が大きいですね。

まとめ

今回は昆虫メインではなかったのですが、天気も良くダイビングのついでに昆虫観察もすることができました。

今度は昆虫メインでも沖縄に行きたいな~。

コロナがまた流行ってきてしまったので、もう少し収まってきたらですが…

普通に遠征ができる日常が早く戻ってきてほしいものですね。

先日の記事では、ウミウシなど小さい生き物メインで沖縄の海についても紹介していますので、興味がある方はよかったら読んでみてくださいね(^^)

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