北海道でもだんだん花が咲き始めました!
春だなー嬉しいなー
4月中旬のこの時期、野山にはどんな花が咲いているのでしょう?
気になって探しに行ってきました!
歩いた場所の環境
行った場所は近所の公園です。標高は60mくらいらしい。
北海道では、平地でもシラカバの木が普通に生えてます。
これ、関東地方から引っ越してきて最初に驚いたところ。本州だとシラカバは標高の高いところにしかありませんからね。
そんな感じで木の種類は
- シラカバ
- クヌギ
- ミズナラ
- ヤマハンノキ
- 植栽のサクラ などです。
辺りにはこれらの落ち葉がたくさん残っている状態なので、その下から顔を出している草花を探していきます!
見られた花
では、今回見られた花を紹介。
フクジュソウ

この黄色い花はおなじみのフクジュソウですね。
春に咲く代表的な花です。
『ガンタンソウ』とか『ガンジツソウ』という別名もあります。漢字で書くと元旦草、元日草。
フクジュソウ(福寿草)というおめでたい名前から、お正月の寄植え用としても栽培されています。
フクジュソウの花期は2~5月なので、お正月用は本来よりも早く咲くように調整しているみたいですね。
観賞用としても栽培されているフクジュソウ、歴史は長く江戸時代から色々な園芸品種が作られているそうです。
園芸品種には八重のものがあったり、色もオレンジ・赤などバリエーションもさまざま。
ちなみに、原種のフクジュソウですが日本には以下の4種類が自生しています。
生息域の被っているものもありますが、地域がずれているものもあり見つけた場所である程度の種類は推測できそうです。種ごとの自生地域は以下のようになっています。
- フクジュソウ…北海道~九州
- キタミフクジュソウ…北海道東部と北部のみ
- ミチノクフクジュソウ…東北~九州
- シコクフクジュソウ…四国・九州
今回見つけた場所は道央なので、分布だけで見るとフクジュソウが当てはまります。
ただ北海道だとわかりやすいですが、東北以南ではフクジュソウとミチノクフクジュソウは分布の重なる範囲も広いうえ、形もとても似ているんです。そこで、一応この2種の見分け方も調べてみました。
ミチノクフクジュソウの写真がなくて申し訳ないですが…、
フクジュソウ→萼片(がくへん)の部分が長く、花びらと同じくらい
ミチノクフクジュソウ→萼片の部分が短い
このような違いがあるようです。
今回撮った写真を拡大して確かめてみると…

赤っぽくなっている部分が萼片です。丸まっていますが、花びらと同じくらいの長さがあるように見えます。
これはフクジュソウで間違いなさそうですね(*^^*)
東北より南に行く機会があったら、ミチノクフクジュソウも探してみようと思います。
クロッカス
フクジュソウを見つけた広場に、こんな花も。

クロッカスですね。早春の時期に花を咲かせる球根植物です。
白や紫、黄色など色々な品種があり、庭や公園などにも植えられていることも多いです。

そんなクロッカスの原産地は、地中海沿岸や小アジア、ヨーロッパ南部。
どこかで栽培されていたクロッカスの球根が鳥などに運ばれたか、人が運んで植えたのでしょう(^_^;)
なんとなく、周囲の雰囲気的に誰かが植えた可能性が高そうな気がしています…。
ちなみにこの『クロッカス』というのは単一の花を示す種名ではなく、流通名です。
園芸品種としては約80種類が流通しています。
一般に園芸用としているクロッカスは『花サフラン』と呼ばれており、分類上では
- Crocus vernus(クロッカス・ベルヌス):紫色、白色系
- Crocus chrysanthus(クロッカス・クリサントゥス):黄色系
などが原種とされています。
もともと耐寒性もあるようなので、寒さの厳しい北海道でも野生化できたのでしょう。
この周囲には数株しかなく、栽培下でも年々開花数が減っていくものなので、在来種への影響はすぐにはなさそうです。
ですがやっぱり自然の中で園芸種を見かけると奇妙に思えますね。
ユキゲユリ(チオノドクサ)
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そしてこちらも野生化した園芸種、チオノドクサ(ユキゲユリ)です。
早春に紫色や白色の星型の花を咲かせる球根植物です。
『~クサ』という名前だと『草』という字が浮かび和名のように思われますが、チオノドクサは属名のChionodoxaをカタカナ表記したものです。
こちらもクロッカス同様、単一の種名ではなく総称で
和名はユキゲユリ。漢字で書くと雪解百合です。季節を表していて良い名前ですよね。
ちなみに英名はGlory of the snow。直訳すると雪の栄光です。かっけー。
そんなチオノドクサ(ユキゲユリ)の原産地は、東地中海沿岸~小アジア。
クロッカスとも被っていますね。ちなみにどちらも高山植物です。
どちらも寒さには強く、暑さには弱いため北海道での栽培に適しています。
今回見かけたチオノドクサもクロッカスも近くにあったので、おそらく誰かが栽培していたものを持ってきて植えたのではないかと思われます。
北海道は帰化植物も本州と違う
さいごに、北海道の野山で見かける帰化植物についての私見を。
私は関東出身で北海道に住むのは2年目ですが、道端に生える植物の違いに結構驚いています。
気温の違いなどから在来の野生植物の違いは理解していたのですが、帰化した園芸植物の多さと種類の違いが興味深いです。
特に北海道でよく見かけるルピナスやフランスギクなどは、関東地方では見かけませんでした。
それもそのはず、これらの植物は暑さに弱いんですよね。
今回の記事で紹介したクロッカスとチオノドクサも同様、耐暑性は低いです。
反対に、耐寒性の高い園芸種が野生にも定着しているということですね。
考えてみれば当たり前のことですが、関東出身の自分から見ると「道端にルピナスが咲いているなんて不思議‼」って感じです(^_^;)
また、野生化している園芸植物の種類も北海道のほうがより多い印象です。
土地が広いおかげでガーデニングをしている人が多いのでしょうか?
こういった帰化植物の違いも比較してみるとなかなか興味深いので、今後も観察していこうと思います。
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