
こんにちは!こんくり(@sorihr1)です。このブログでは自然や生き物について紹介しているよ。野草&昆虫食も好きな私が、今回はこんな記事を書いてみました!
最近漫画『ゴールデンカムイ』にハマってます。北海道に住んで2年目だけどなぜ今まで読んでこなかったんだろう…。
ゴールデンカムイは、北海道を舞台に帰還兵の青年とアイヌの少女が食べたり闘ったりする漫画です(めっちゃざっくり)
お話の中でアイヌ民族の衣食住が色々登場するのですが、この食事の場面が面白い。
自然と共生してきたアイヌ民族ならではの「採って食べる」がたくさん紹介されます。
その中で知ったのが「ニリンソウが食べられる!」ということ。
ニリンソウは、国内では北海道から九州まで自生する山歩きでおなじみの野草ですね。
春に白い可愛らしい花を咲かせます。

山登りなどされる方は見たことがある人も多いのではないでしょうか。
このニリンソウ、アイヌ語では「プクサキナ」と言うそう。
ゴールデンカムイ7巻で、アイヌの少女アシリパさんが「肉の味を何倍にもするだけでなくお互いの味を引き立てるニリンソウ」と話しています。
…そんな表現をされたら、食べないわけにはいかないではないか…!
今回は、そんなニリンソウを食べてみた感想と、採集して食べる際の注意点を紹介していきます!
ニリンソウはどんな植物?
ニリンソウの生態
ニリンソウはキンポウゲ科イチリンソウ属の多年草。
山地の林床などに生え、4~5月頃に白い花を咲かせます。
一つの茎から2輪咲くというのが二輪草という名の由来ですが、実際には2~4輪くらい咲きます。
ちなみにイチリンソウやサンリンソウもあります。名付け方がちょっと適当で面白いですね。笑
ニリンソウがの花が観察できるのは春だけ。花が咲いて実がなったら、地上部は枯れて休眠状態になります。
“スプリング・エフェメラル”(春の儚いもの)のひとつですね。
トリカブトとそっくり。間違えると死にます
ちなみにこのニリンソウ、猛毒のトリカブトとそっくりなんです。
ニリンソウが属するキンポウゲ科は、毒草が多いグループとして知られています。
トリカブトは、毒草としてあまりにも有名ですよね。葉1gでも致死量に達します。
その毒の強さから、アイヌの矢毒にも使われたほど。
つまり間違えて食べてしまうと、即死・・・。恐ろしすぎる。
トリカブトの花と葉はこんな感じ。

花が咲いていれば一目瞭然なのですが、この時期はトリカブトはまだ開花しておらず、ニリンソウととてもよく似ています。
ニリンソウの群落の中に混生していることもあり、よっぽど自信がある人以外は『白いニリンソウの花が咲いている茎だけ採る』という選択をしたほうが良さそうです。
安全第一!!
ニリンソウを食べてみたレポート
ゴールデンカムイに倣って乾燥ニリンソウを作成
野草なので、まずは採集。

ちょっと時期がギリギリだったので枯れ始めた葉もありましたが、このくらい採集。
トリカブト誤食したらシャレにならないので、花のついている茎だけ選別しました。
たぶん見慣れていれば間違えないのでしょうけど、混生していることも結構あるみたいなのでここは慎重に。

このままでも食べられるようですが、今回はアシリパさんのやり方に倣って乾燥させて食べることに。
100均の野菜干しネットに入れて数日乾燥させます。

ネットの中はこんな感じ。

6日後。かなり乾燥してカサカサになりました!これを料理していきたいと思います。
食べ方は…シンプルに鍋に投入!

漫画の中でしていたように、鍋に入れていきます。
今回の具材は、豚肉、キャベツ、エリンギ、マイタケ、長ネギ、そしてニリンソウ。
ちょっとニリンソウ以外の具材も豊富にしすぎた気もしますが、物は試し!

こんな感じで入れてみました。なんとなく漂う、草の香り。
ニリンソウの茎が筋っぽいのでは?と途中で気になり、鍋の中ですがキッチンバサミで少し刻みました。
鍋に入れる前に細かくしておくのが良いかも。
そして、

完成!!
見た目は三つ葉のような印象。出汁の素や味噌は入れていないので、汁は透明に近いですね。
味の感想!
食べてみました!
おお!普通に美味しい!!茎はシャキシャキした食感だけど、筋っぽくなくちゃんと噛み切れる。
風味は三つ葉のお吸い物のようなやさしい味です。
ダシもちゃんと出ていて、汁にも味がついている。
肉と一緒に食べてみます。

ほぉ~。肉の風味に、ほんのり草の香りがプラスされて確かに深みが増したような感じ!
草というか、お茶漬けっぽいですね。
独特な香りが美味しい!

ここで、ゴールデンカムイでは“オソマ”と呼ばれている味噌を入れてみましょう。
※オソマとはアイヌ語でう○このこと。アイヌ文化には味噌がなかったので、主人公の杉元が食べているのを見てアイヌのアシリパがう○こと勘違いし、オソマと呼んだ。

うまい!!個人的にはこっちの方が好みです。
味噌を入れていない時は、ニリンソウやキノコ、豚肉のダシは出ているけどやや薄味。
味噌を入れると味噌汁っぽくなるけれど、ニリンソウの香りが混ざり合って普通の味噌汁よりも美味しい!
後日、別メニュー。より素材の味を楽しむ!
後日、今度は豚肉とニリンソウのみで汁物を作ってみました。
前回はキノコやネギの味も結構していたので、ニリンソウと肉のみではどうなるかという検証です。

今回は鍋に入れる前に少し刻んでみました。

けっこうアクが出ていたので、アクは除去。

完成です!よりシンプルに。ニリンソウの量は前回より少し多めかも。

いざ実食。
やっぱりこの2つだけだとちょっと薄味かな。でも、これだけでも十分おいしい。
「お互いの味を引き立てる」っていうのがわかる気がする!
そして、前回よりもスープにしっかりとニリンソウの香りがよく出ています。
いや、この香りが染み出したスープ…めちゃくちゃうまいです。これだけでもたくさん飲みたい。

まあ、でも和人なので味噌を入れてみたくなりますよねw

オソマおいしい(*´ω`*)
入れなくても十分美味しいけど、味噌の風味としょっぱさも捨てがたい…!
結論、どちらも美味しかった!!
ヒンナヒンナ!(アイヌ語で食に感謝する言葉)
まとめ
そんな感じで、ニリンソウの食べ方について書いてきましたがいかがでしたでしょうか。
あまり食べるイメージがなかったのですが、今回食べてみて印象がガラッと変わりました。
ニリンソウの味に興味のある方は、ぜひお試しあれ!
ただし、山の生態系の一部なのであまり採りすぎないように・・。
西日本など地域によっては絶滅危惧種にもなっています。原因は様々あると思いますが、バランスをとりながら自然とうまく共生していきたいですよね。
ちなみに、漫画ゴールデンカムイでニリンソウに言及されるのは7巻。
野生のものを食べたりするのが好きな人にはとてもオススメな漫画です。
アニメも面白いですよ。U-NEXTで1~3期まで配信されています。31日間のトライアル期間は無料で見られるらしいので、興味ある方はこの機会にぜひ。↓
私も色々食べることが好きなので、また野草など食べたら食べ方などレポートしていきたいなと思います!
よかったらまた覗きに来てもらえると嬉しいです(*^^*)それでは!
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