
こんにちは。こんくりです!
このブログでは昆虫観察や自然に関する情報をお伝えしています。
北海道でカマキリを飼育する記録、続編です。
とある観光施設で夏の昆虫展示を担当している私は、「北海道の子どもたちに生きたカマキリを見せたい!」という思いでカマキリの飼育を始めました。
関東地方の実家周辺にて、冬の間に卵鞘を採集。春が遅い北海道では早く孵化しても餌が手に入らないので、卵鞘を冷蔵庫に入れて保管していました。
前回の記事↓で冷蔵庫から出した様子を紹介しています。
その後、卵鞘がどうなったのか。
今回は孵化までの様子を書いていきたいと思います!
常温保管を始めてから約1ヶ月…なかなか孵らず
4月25日/冷蔵庫から卵鞘を出す

冷蔵庫から取り出し、クリアカップに1つずつ入れて保管していました。
室温は、だいたい15~20℃程度。ヒーターを入れている時間帯はもう少し高かったかもしれません。
この時期、道央では外気温が15℃程度にまで上がる日もありましたが、夜は1℃まで下がる日も。
ちなみにこの卵鞘を採集した埼玉県では、最高気温が20℃前後、最低気温が10℃前後といった気候です。埼玉県ではもうオオカマキリは孵化する時期になっていました。
セッティングの手直し:卵鞘を割り箸にくくりつける
前回の記事では「カップに卵鞘を投げ入れるだけでOK~」と書いていましたが、それではあまりに雑すぎるかなと思い直し、卵鞘を枝に見立てた割り箸にくっつけることに。

こんな感じで、半分の長さに切った割り箸に卵鞘をボンドでくっつけます。
もともと割り箸と同じくらいの太さの枝に産みつけられていたので、枝の跡がすっぽり良い感じにはまりました。
ボンドでつけたら、すこし乾かします。
卵鞘は卵本体を包んでいるものなので、幼虫が出てくる場所を塞がなければボンドをつけるのは問題ありません。

良い感じ。

ハラビロカマキリの卵鞘も同じように割り箸にくっつけます。
これをカップの内側に立て掛けると、自然な向きに卵鞘をセッティングできます。
カップ底面にあるより浮いていたほうが孵化の成功率もちょっと上がりそうですからね。
5月19日/濡れティッシュを追加
常温に戻してから3週間以上が経過。
なかなか孵化しないので、ちょっと心配になってきました。
北海道でも、外気温が20℃を超える日も出てきて初夏の陽気になってきています。
卵鞘はそのまま放置していたので、もしかして乾燥しすぎてしまった・・・?
いや、まだ気温が足りないだけなのかもしれない。
もう遅いかもしれないけど念の為、カップの中に濡らしたティッシュを入れてみました。
5月21日/割り箸カビる
濡れティッシュの湿度の影響で、卵鞘をくっつけていた割り箸がカビてきました。
オオカマキリの卵鞘の端にも綿のようなカビが…!
カビが生えてしまったということは、もうこの卵鞘は死んでいるのかもしれない。
諦めの気持ちが頭をよぎりながらも、フタを開けてカビを拭き取ります。
湿度高すぎたのかもしれない。すこし乾かそう。
フタを開けて数時間置き、中の湿度を飛ばしました。
フタ開けている時に万が一孵化したら大変なことになるので、乾いてから卵鞘を再びカップに入れてフタをして寝ました。
5月22日/孵化
朝。何かカサカサ音がする。
その音の主は、孵化したオオカマキリの幼虫でした!

ざっくり数えて50匹ほどでしょうか。幼虫が登ったり落ちたりしながら歩き回っています。
孵化したー!!よかったー!!という気持ちと同時に、
昨日フタ閉めておいて本当によかった・・・
と少しヒヤリ(^_^;)

1cmほどの孵化幼虫。立派にカマキリの形をしていますね。
壁に登っては落ちるのですが、落ちた直後に必死に起き上がり隙を見せないようにしているのが健気!!
孵化幼虫は、先日加工した「隙間を塞いだ虫かご」に入れます。

フタの空気穴を不織布で塞いでいます。オオカマキリの孵化幼虫はこの空気穴だと通り抜けて脱走してしまうので…。
加工のやり方についてははこちらの記事で。

虫かごに投入した様子。これから大きくなるまで脱走に注意しながら管理していかないと。
さいごに
冷蔵庫から出したオオカマキリの卵鞘は、北海道(道央)の5月の気温で約1ヶ月で孵化しました。
この時期の外気温は15~20℃前後。室温だともう少し高く23℃くらいです。
これは卵鞘を採集した埼玉県で孵化する時期(4月~5月上旬)の気温と同じくらいですね。
温度の記録を全部つけておけば面白かったかもしれませんが、それはまた別の機会に。
今後もカマキリ幼虫の成長過程をお伝えしていきたいと思います。
コメント