ハンノキハムシ Agelastica coerulea

基本データ
分類 | コウチュウ目 ハムシ科 |
学名 | Agelastica coerulea |
分布 | 北海道~九州 国外:シベリア、朝鮮半島、中国 |
生息環境 | 低地~山地の食草の葉の上 |
大きさ | 5.7mm~7.8mm |
成虫の出現時期 | 平地:4~8月 山地:8~10月 |
食樹 | ハンノキ、ヤマハンノキ、シラカバなど |
ころんと丸い形で「ザ・ハムシ」!というフォルムのハンノキハムシ。
北海道ではシラカバの葉についているのをよく見かけます。
シラカバもハンノキもどちらもカバノキ科。他には、同じくカバノキ科のヤシャブシなどの葉も食べます。
ハンノキハムシの成長
産卵

ハンノキハムシの繁殖は年1回。
卵は食樹の葉の裏に20~80個ほどまとめて産みつけられます。
時期は平地で5月頃から、山地など寒い地域では6月~7月頃です。
幼虫から蛹、成虫へ
孵化した幼虫は集団で葉を削り取るようにして食べます。食べられた跡の葉はレース状に透け、食痕は茶色に。
食樹の見た目は悲惨な状態になりますが、木自体が枯れてしまうことはほとんどないようです。
1ヶ月ほどかけて成長した幼虫は、土に潜って蛹になります。
蛹の期間は約2週間。羽化した新成虫は土から脱出し、再び食樹を食害します。

成虫の食痕は幼虫と異なり、葉に穴が開いた形になっています。
ハンノキハムシの越冬

羽化した新成虫はしばらく食樹を食害し、落葉する頃になると越冬体勢に入ります。
越冬場所は、落ち葉の下や土の中。
深くは潜らず、浅い場所で冬を越します。
ハンノキハムシによる害は?
ハンノキハムシはハンノキやシラカバなどを食害します。
これらの植物は一般家庭で栽培することはほとんどなく、果実を採るわけでもないため人間への害はないと言えます。
しかし、幼虫に食害された木は葉が茶色くなり、見た目が悪くなるため公園などに植えられている場合は害虫と呼ばれるかもしれません。
蛹は土中におり、成虫も時期によっては食樹から分散して土に潜ってしまうため、駆除するのであれば幼虫の時期(6~8月頃)が適しているでしょう。
木の見た目が悪くなる以外、毒性などの人の健康に関するような害はないため、過剰に駆除する必要はない昆虫です。
ハンノキハムシによって木が枯れてしまうことはほとんどなく、発生は1~2年ほどで収まると言われています。
参考文献
- ハムシハンドブック(文一総合出版)
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